アルファ・りょうま・りんたろうのお散歩日記

soul mate

父さん、僕が空に帰って2年余り経つね。今でも涙を流してくれる父さんをいつも傍で見てるんだよ。

父さんは自然科学を勉強して、仕事もそうでしょ。だから生き物が死ねば、元素だか原子に帰るだけで魂なんかあるものじゃないって思ってるね。

おまけに「見える」人じゃないから、そんなものは脳の中の視覚領野に結像された幻みたいなものだと言うだろうね。

動物が空に帰れば、虹の橋のたもとで飼い主が来るのを待ってるという話は、人が淋しくないように作った話だとかも言うだろうね。

でもね、考えてみて、そんな自然科学なとうさんが、2年も経っているのに中途覚醒すると必ず涙を流したり、僕からの手紙を書いたりするのはおかしいと思わない?

それはみんな僕の魂がさせてる事なんだ。

僕も「見える」方じゃなかったけど、りんたろうのお墓の周りで急にグルグル走り出したり、高速道路の決まった場所を通る時いつもワンワン言ってたでしょ。

僕は何かを感じてたんだよ。

魂って何でできてるか知らないけど、人の心を動かすものなんだ。

だから、父さんの心が動いて涙が出るのは僕の魂がいるからなんだよ。

僕が父さんのそばにいた時、いつも1センチでも近くに居たがったのは、父さんの温もりや匂いが大好きなだけじゃなかったんだよ。

とうさんを守るんだといつも思っていたからなんだ。

魂になった今は、あの時みたいに溺れかけても岸へ引っ張て泳ぐ訳にはいかないけど、とうさんが全ての命に優しく誠実に向き合う心を保てるように

そばに居ようと思っているよ。